石橋正雄の「生き方上手じゃないけれど」

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zoom RSS ドラマ「契約結婚」 第5週@(第21回〜第23回)

<<   作成日時 : 2005/08/08 12:16   >>

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【注意】
 ドラマも全体の3割程度までストーリーが進んできた。
 このレビューでは原作「僕たちの失敗」とドラマとの比較を行っている。これまでは、ドラマをご覧になっている方が原作を読んでも、興味をそがれることが無いように、気を配って書いてきたつもりであった。
 しかし、ここまでストーリーが進んでくると、ドラマと原作とを比較する際、どうしても原作に書かれている「ネタ」についてある程度は触れざるを得ない。また、その「ネタ」がドラマで既に描かれてしまっているものもある。
 そのため、もし原作「僕たちの失敗」の内容を余りお知りになりたくない方は、この先のレビューを読むことは控えて頂いた方が良いかもしれない。

【第21回 8/1放送分 脚本:いとう斗士八】
 車に跳ねられた俊太は死んでしまった。そして、美千代の胎内の子供も切迫流産となってしまった。稲垣夫妻は、同じ日に二人の子供を失ってしまったのである。
 ちなみに原作はというと、稲垣夫妻の子供が生まれて一ヶ月少々で死ぬ、という展開になっている。子供が生まれて嬉々としていた稲垣次郎が、突然失意に陥るはめになってしまうのだ。これを知った信太郎は、愛が深ければ深いほど、失った時の苦しみは大きい、だから愛情は少なく持っていた方が良い、という考えに確信を与えることになる。ちなみに車に跳ねられるというのは・・・これは今のところ話を控えておこう。

 俊太を死なせてしまった万砂子は、美千代夫婦に何をして良いか分からないと言う。これに対して、信太郎は何もしなくて良いと言う。
「どんなに大切な人を失った悲しみだって、いつかは消えて無くなるんだ。人の心はそういう風に出来てるんだよ。人間が持って生まれた、防衛本能のようなもんさ」
 そんな信太郎の考えを冷たすぎると非難する万砂子。
「じゃあ万砂子は、このまま一生俊太君を死なせてしまった悲しみを背負って生きていくつもりか?」
 それに対して、死んで償うことも考えている、しかし、美千代たちはもっと深い悲しみを抱いて生きていかなければならないのだから、自分は死んではいけない、もし美千代夫婦に死ねと言われたら死んでもいい、と言う万砂子。
 ハッキリ言って、万砂子の言い分は美談には聞こえても余りにも甘えた考えである。次第に明らかになってきているが、万砂子は実はかなりのナルシストなのである。彼女が死んでもいいと言っているのは、罪(本当は罪かどうかはさておき、本人は罪を感じている)を犯した自分を受容できないからだ。罪を犯すような自分は自分ではない、自分はずっと潔癖でありたいと考えているのだ。
 そう考えると、「永遠の愛を信じてる」だとか「人の命はそんなに簡単なものじゃない」などと言い出す心理もよく分かる。「愛は消えてなくなる」だとか、「人の命ははかないもの」だと考えたら、自分が残酷で非道な人間になってしまうと信じ込んでいるからだ。そういう残酷な人間に自分はなりたくないから、やれ永遠の愛だとか、人の命だとか言うことで、自分は悪い人間ではないという免罪符を、自分で自分に貼り付けているのだ。そして、「愛は消えてなくなる」とか、「人の命ははかないもの」といった現実から目をそらそうとするのだ。
 このように万砂子の正体は、奇麗事を言って潔癖な存在でいようとするナルシストなのである。(これは、人権だとか平和だとかを口にしていれば自分は悪くないと思い込んでいる左翼の人間と似ている。万砂子の言い分は左翼と余りにもソックリなのだ。現実を直視できないところまで、万砂子と左翼は似ている。ひょっとしてこのドラマは、左翼批判番組か?だとしたら私としても嬉しいところだ)
 ともあれ、万砂子と信太郎の立場はもう完全に逆転している。今では信太郎の方が、現実を直視したリアリストであり、彼の方に生きる力があると思う。それに比べて万砂子といえば、ワァワァ泣きはらすだけで何をしてよいのかも分からないという、箸にも棒にもかからないロマンチストに過ぎない。

 ほうらご覧なさい。万砂子は美千代に帰れと言われてしまった。美千代たちの気持ちを汲んで美千代の許に駆けつけたつもりが、美千代の反感を買っている。当然だ。万砂子の行動は余りにも無神経過ぎると思う。本当に美千代の気持ちを理解していないのだ。自分の贖罪のことしか考えていないナルシストだから、こんなことになってしまうのだ。

【第22回 8/2放送分 脚本:いとう斗士八】
 今の万砂子に何かしてやりたいと思う信太郎。それに対して、側にいてやるだけで万砂子は癒される、と言う若林。結構なマトモなことを言ったので、少々驚いた。

 何と、俊太は既に死んでいるというのに、俊太を託児所に預けることは反対だった、託児所に預けることは、美千代が勝手に決めたことだと、今さらのように言う稲垣次雄。そして俊太とずっと一緒にいてやる(=喫茶店の仕事をしない)というのだ。
 そんな次雄を目の当たりにして途方に暮れているところにやって来た万砂子。そして、銀行通帳と印鑑を置いていこうとした。当然激昂する美千代。もう二度と来るなとまで言われてしまった。私としては、万砂子の考えを完膚無きまでに打ち砕くような展開になって欲しいので、これは良いと思う。

 万砂子に何かしてやろうと思っていたのに、片桐が万砂子の助けをすると知り、帰ってしまう信太郎。それを見て、信太郎を追いかけた方がいい、信太郎は変わってきていると万砂子に言う若林君。万砂子は信太郎に追いすがり、信太郎の力が必要だと言う。信太郎は変わってきているというのに、あなたは変わらなくてもよいのか、万砂子さん。

 よりによって俊太と同じ場所で、しかも俊太と同じように車に轢かれてしまった稲垣次雄!「えーっ、ウソ?!」と思った視聴者もいるかもしれない。
 しかし、稲垣次雄(稲垣次郎)が車に跳ねられるという展開は、原作通りなのである。とは言え、まさかこんなに早く次雄が跳ねられるとは思っていなかった。そしてその次雄がどうなるかは・・・次回へ続く。

【第23回 8/3放送分 脚本:いとう斗士八】
 稲垣次雄が車に跳ねられたのは、自殺だったようだ。この点は原作と異なっている。原作では、あくまで事故として跳ねられた。ただ、「自分から車にぶつかって来たような具合だった」という点は同じのようだ。
 そして、命は取り留めたものの、後遺症により頭がおかしくなるという点も、原作通りである。
「万砂子のせいで、全部なくなっちゃったわ。私の幸せは・・・」
 このくらいキツい言葉を万砂子にくれてやっても構わないだろう。この後、美千代がどうなっていくかはぜひ注目して頂きたい。もし原作通りになってくれたら、非常に面白い。もしそうなったら、「えーっ?!まさか・・・!」と視聴者は驚く(?)ことだろう。
 それでも性懲りも無く病院に居残ろうとする万砂子。叩け、叩け信太郎!今こそ万砂子の頬をしたたかに打つ時だ!そして万砂子の目を覚まさせてやれ!
「そこまで言うなら、俺に止める権利は無いよ・・・」
 私は思わずガックリとうな垂れてしまった。またも万砂子の思い込みを矯正する時を逸してしまった。というより、信太郎もかなり呆れかえってしまったのだろう。改めて、互いの自由を尊重する契約結婚であることを、信太郎は万砂子に言い放った・・・。

 万砂子が病院にいるために、家事をほったらかしにしていることの不満を口にする八重子。しかし信太郎は、家のことは八重子がやってくれと言う。そして八重子は、信太郎がそんなことを言うようになったのは、万砂子のせいだとまたも決め付ける。いやそもそも、あなたがおめかしして渡辺編集局長とこっそり会っていたのが原因じゃないですか?

 信太郎が万砂子に届けた着替えを、美千代が家に持ち帰り、鋏で切り刻み始めた!万砂子への恨みは相当なものになってしまった。そして、自分の不幸な境遇に対する怒りも爆発してしまった!いい感じである。美千代には悪いが、美千代が壊れてもらわないことには話が先に進まないのだ。

 万砂子が福田家に帰ってみると、八重子から家を出て行くように言われた。あれ?福田家に無理矢理住まわせたのは八重子ではなかったのか?
・万砂子を放っておくと外で何をするか分からない → だから福田家に同居させた
・家事もしない上に、信太郎を苦しめている → だから福田家から追い出した
 この調子でいけば、また同居しろとか、いやまた出て行けとか、際限なく続きそうだ。八重子も信太郎から子離れすべきであろう(ちなみに原作では・・・この話はまだしないでおこう)。


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